「B-Free(ビーフリー)という防音ブースがクラファンで何千万円も集めているらしい。本当に良いの?」――2026年9月、そんな質問が当店にも届くようになりました。検索すると「BFree」「B-free」「ビーフリー」と表記もばらばらで、情報は公式の宣伝文とクラファンページが中心。客観的に全体像をまとめた記事はほとんどありません。

そこで防音室専門店の当店が、韓国の公式サイト・試験成績書・クラファンの公式データ・日韓英の購入者の声まで調べ、分かったことを出典付きでまとめました。

最初に立場を明らかにします。当店(Bo-On Room)は国産の組み立て式防音室OTODASUの正規販売店で、B-Freeは取り扱っていません。競合の立場にあるため、数値はすべて公開情報から出典付きで引用し、優劣の断定はしません。良い点は良い、注意点は注意点として書きます。

30秒でわかるB-Free:韓国ソウルのMUSICUS(ミュージクス)が作る、鉄骨フレーム+4層の布壁でできた組み立て式の防音ブース。日本では2026年春のMakuakeで3,607万6,000円(195人)、2026年9月11日開始のCAMPFIREでは初日に1,239万6,000円(53人)を集めました。5サイズ(XS〜XL・0.7〜3.3畳相当)で、CAMPFIRE支援価格は¥165,000〜¥398,000(送料・関税込み、9月12日時点)。

公称の「平均約26dB低減」は、韓国の公的試験機関KCLが壁材パネル単体を国際規格で測った値(Rw26)です。声や中高音には効きやすい一方、125Hzの低音では約10dBしか下がりません。重さは114〜265kgと重く、韓国からの船便・玄関先渡し・自己都合キャンセル不可。「声・ナレーション・宅録を、エアコンのある部屋で」なら有力候補。「ドラム・低音・深夜の大音量・すぐ欲しい」には向きません。

B-Free(ビーフリー)とは?一言でいうと

B-Free 2.0(ビーフリー)は、韓国のMUSICUSが開発・販売するDIY(自分で組み立てる)防音ブースです。スチールのフレームに、吸音材と遮音層を重ねた「4層ファブリック(布)」の壁を掛け、木製の床と天井で囲む構造。ドライバー1本で組み立てられ、分解すると体積が約80%小さくなるので、賃貸や引越しが多い人でも導入しやすい、というのが同社の打ち出しです。

ネット上では「BFree」「B-free」「ビーフリー」と表記がゆれていますが、すべて同じ製品を指しています。現在日本で募集されているのは「B-Free 2.0」で、2026年9月のCAMPFIRE版では換気ファンが可変式に改良されています。

メーカーMUSICUS(ミュージクス)はどんな会社か

  • 所在地:韓国ソウル特別市麻浦区(合井洞)。本社兼ショールーム。代表は허재경(Jae Kyoung HEO)氏(CAMPFIREの特定商取引法表記)。
  • 創業の経緯:代表はヒップホップ出身の音楽家で、隣人からの騒音苦情をきっかけに防音ブースを開発したと韓国紙が報じています。2019年3月時点の従業員は5人で、全員が音楽経験者でした。
  • 初めての販売:2016年11月、韓国のクラウドファンディング(Wadiz)で布製ブースを発表し、1か月で約3,200万ウォン(目標の630%)を集めたと報じられています。
  • 受賞:2024年11月、韓国の中小ベンチャー企業部などが主催する小規模事業者のオーディション「강한 소상공인(強い小商工人)」で、ライフスタイル部門の最優秀賞(参加9,137社)。
  • 製品:韓国ではB-free 2.0を21サイズで展開し、2段ベッドと一体になった防音ブース「DUET」、小型の「T-small」なども販売しています。
  • 展示:米国の楽器見本市NAMM Showに2023〜2026年に毎年出展(同社表明)。日本では東京楽器博2025、二子玉川 蔦屋家電+(2026年1〜5月・終了)、ビックカメラ池袋西口IT tower店3F(CAMPFIRE期間中)で展示されています。
販売台数の数字は出典によって違います。「5,000台以上」(2022年の韓国報道)、「8,000台以上」(韓国公式)、「20,000台以上」(日本語の告知ページ)、「25,000台以上」(DTMステーションが掲載したメーカー説明)と幅があり、第三者の裏付けは見当たりませんでした。記事や広告で目にしたら「同社発表の数字」と受け止めるのが安全です。

クラウドファンディングの全記録(日本・海外)

「クラファンで大人気」と言われるB-Freeですが、公式データをたどると、実は最初から順調だったわけではありません。各プラットフォームの公式データで確認できた履歴を並べます。

時期 場所 実行者 製品 結果
2016年11月 Wadiz(韓国) MUSICUS 布製ブース初期型 約3,200万ウォン(630%)※報道
2022年1〜3月 Makuake SETO WORKS(韓国のクラファン代行会社) T-small(小型機・B-Freeではない) 167万7,600円/24人
2023年3〜6月 Makuake SETO WORKS B-free 2.0 73万7,000円/3人
2025年4〜5月 Kickstarter(米国) MUSICUS B-Free 2.0 12万707ドル/104人(目標1万ドル)
2026年4〜5月 Makuake MUSICUS(直接実行) B-Free 2.0(3サイズ) 3,607万6,000円/195人(目標20万円・18,038%)
2026年9月11日〜10月11日 CAMPFIRE MUSICUS B-Free 2.0(5サイズ・ファン改良版) 1,239万6,000円/53人(9月12日時点・619%)
日本のクラウドファンディングにおけるMUSICUS製品の応援購入総額 2022年Makuake 167万7,600円・24人、2023年Makuake 73万7,000円・3人、2026年Makuake 3,607万6,000円・195人、2026年CAMPFIRE 初日1,239万6,000円・53人。 日本のクラファン実績(応援購入総額/支援者数) 同じB-free 2.0でも、代理店実行の2023年は3人、メーカー直接実行の2026年は195人 0万 1,000万 2,000万 3,000万 4,000万 2022 Makuake(代理店実行・T-small) 2022 Makuake(代理店実行・T-small):167.8万円/24人 167.8万円/24人 2023 Makuake(代理店実行・B-free 2.0) 2023 Makuake(代理店実行・B-free 2.0):73.7万円/3人 73.7万円/3人 2026 Makuake(メーカー直接実行) 2026 Makuake(メーカー直接実行):3,607.6万円/195人 3,607.6万円/195人 2026 CAMPFIRE(初日・9/12時点) 2026 CAMPFIRE(初日・9/12時点):1,239.6万円/53人 1,239.6万円/53人 出典:Makuake公式データ・CAMPFIREプロジェクトページをもとにBo-On Room作図

代理店時代(2022・2023年)は伸び悩んでいた

日本での最初の2回は、韓国企業の日本向けクラファンを代行するSETO WORKSが「正規代理店」として実行しました。2022年は小型機T-smallで24人、2023年のB-free 2.0はわずか3人。「日本のクラファンで3回成功」という書き方を見かけることがありますが、2022年はB-Freeではなく、2023年は支援者3人だった、というのが公式データです。

Kickstarterで米国市場を確かめる(2025年)

2025年4〜5月、米国のKickstarterで104人から12万707ドルを集め、Kickstarterの注目プロジェクト「Project We Love」にも選ばれています。その後、米国のAmazon.comや楽器店でも販売されるようになりました。

2026年のMakuakeで3,607万円(公開24時間で1,129万円)

転機は2026年4月20日〜5月19日のMakuakeです。今回はMUSICUS自身が実行者となり、韓国のクラファン支援会社のコンサルを受けながら、蔦屋家電+での体験展示と組み合わせました。公開24時間で1,129万5,000円、最終的に3,607万6,000円・195人。実行者の報告によると約200台を日本に届けました。当店が調べた範囲では、日本の防音関連クラファンで過去最大の金額です。

ただし、お届けは当初予定の6月末から8月中旬以降に遅れました。実行者の活動レポートによる理由は、換気ファンを新型(3.0)に切り替えるための性能確認、梱包資材工場の火災、台風による船便の変更、通関検査の長期化です。8月には、個別に送るはずのメッセージが全体に送られ、1人の支援者の実名と追跡番号が記載されてしまう誤送信もありました。8月28日の報告では「9割以上のお届け完了見込み」「初めての日本展開で物流会社との連携が不十分だった」とし、受け取りから1年間の無償アフターサービスを表明しています。

CAMPFIREで再ローンチ(2026年9月)

2026年9月11日12時に始まったCAMPFIREのプロジェクトは、公開10分足らずで目標200万円を達成し、初日に1,239万6,000円(53人)を集めました。2つのサイズ(1.2m角のS、1.76m角のL)が加わって5サイズになり、換気ファンは回転数を調整できるUSB Type-C給電の新型に。ビックカメラ池袋西口IT tower店の展示で案内される「キーワード」を入力すると買える限定リターンもあります。お届け予定は2026年12月です。

クラファンの戦略面(なぜ代理店時代の3人から195人に伸びたのか)は、業界向けの別記事で詳しく分解しています。→ B-Freeのマーケティング戦略を分解

B-Free 2.0の5サイズとスペック

サイズ 外寸(幅×奥行×高さ) 内寸 重量 広さ(外寸)
XS 92×120×204cm 82×110×199cm 約114kg 1.10㎡(約0.7畳)
S 120×120×204cm 110×110×199cm 約122kg 1.44㎡(約0.9畳)
M 148×148×204cm 138×138×199cm 約153kg 2.19㎡(約1.4畳)
L 176×176×204cm 166×166×199cm 約200kg 3.10㎡(約1.9畳)
XL 232×232×204cm 222×222×199cm 約265kg 5.38㎡(約3.3畳)

出典:CAMPFIREプロジェクトページ(2026年9月12日確認)。畳数は1畳=1.62㎡で当店換算。本体の上に換気ボックス(約15cm)が載り、韓国公式は全高219cm・天井高220cm以上が必要としています。

構造:鉄骨フレーム+4層の布壁

壁は、表地・吸音層(3M社のシンサレート)・遮音層・裏地の4層を重ねた布製で、スチールフレームのフックに掛けて固定します。床と天井は木製パネル(ホルムアルデヒド放散量が少ないE0等級)と高密度ポリエステルの吸音材。壁の厚さは約8cm(フレーム3cm+布5cm)とされています。プラスチック段ボールや段ボールの防音室と比べると、布壁の重さ(質量)で音を止める設計で、それが114〜265kgという重量にも表れています。

換気:CAMPFIRE版で可変ファンに

換気ボックスのファンは、500〜3,400回転/分をノブで調整でき、USB Type-C(PD充電器も可)で給電します。同社は「最大風量でSサイズ内の空気を1時間に約80回入れ替え」と説明しています(抵抗のない条件の理論値との注記つき)。以前のファンは1,600回転/分でオン・オフのみでした。照明は付属しないので、クリップライトなどを別に用意します。

組み立て・配送

  • 手順は「床 → フレーム → 布壁 → 天井」の4段階。ドライバー1本(説明書・工具は同梱)。
  • 所要時間は同社表示で「約60分」(MakuakeではSmallサイズで約60分)。ただしFAQでは安全のため2人以上を推奨しています。
  • 韓国ソウルから国際船便で発送(最大30日)。玄関先渡しで、室内への搬入や設置は含まれません。送料・関税込み。沖縄・離島・山間部は事前相談が必要です。
  • 保証は受け取りから12か月で、初期不良や製造上の不具合を部品交換で対応。お客様都合の返品・キャンセルはできません。

価格:CAMPFIREの支援価格は¥165,000〜

サイズ CAMPFIRE支援価格(9月12日時点) 同社が示す「CAMPFIRE特別販売価格」 参考:2026年春Makuake(同寸法)
XS ¥165,000〜¥176,000 ¥259,000 ¥129,000〜¥140,000
S ¥195,000〜¥206,000 ¥299,000 —(新サイズ)
M ¥285,000〜¥298,000 ¥399,000 ¥249,000〜¥257,000
L ¥315,000〜¥328,000 ¥449,000 —(新サイズ)
XL ¥385,000〜¥398,000 ¥499,000 ¥299,000〜¥309,000

最安はビックカメラ池袋西口の展示で案内されるキーワード限定の価格で、最も安い「超超早割」はXL以外が在庫なしになっています(9月12日時点)。いずれも税込・送料関税込みです。

「○%OFF」より実際の支払額で比べてください。同じ寸法(920×1200mm)の比較対照価格は、2026年春のMakuakeでは¥199,000、今回のCAMPFIREでは¥259,000と変わっています。また、MUSICUSの日本語告知ページでは、同じ寸法が「正式販売中」として¥149,000で掲載されたままです(9月11日確認)。改良版との仕様差もあるので、迷ったら公式LINEで直接確かめるのが確実です。

サイズ別の総額(支援者手数料を含む)や、ビックカメラ限定リターンの仕組み、「今買うか待つか」の判断軸は別記事にまとめました。→ B-Free 2.0の価格とCAMPFIREリターン比較

「−26dB」の本当の意味|試験成績書を読んでみた

B-Freeの日本語ページには「騒音レベルを平均約26dB低減」「歌声(約90dB)がブースの外では約64dB」とあります。この数字の根拠を探したところ、MUSICUSの韓国サイトに試験成績書の画像が公開されていました。

根拠は韓国の公的試験機関KCLの成績書

  • 試験機関:KCL(韓国建設生活環境試験研究院。国際相互承認の認定を受けた試験所)
  • 試験方法:ISO 10140-2:2021(壁などの部材の遮音性能を実験室で測る国際規格)
  • 試験日:2022年6月16日
  • 試験体:幅1,240×高さ2,780mm、厚さ37.2mmの壁材パネルを試験用の開口部に取り付け、すき間をシーラントで埋めて測定
  • 結果:Rw(C;Ctr)=26(−1;−5)

Rw(アールダブリュー)は、周波数ごとの遮音量を国際規格の手順で1つの数字にまとめた値です。つまり「−26dB」は、壁材を実験室で測った値で、ドアの合わせ目、配線の引き込み口、換気ボックス、床・天井を含む「ブース全体」を実際の部屋で測った値ではありません。一般に、すき間や開口部があると遮音量はそこで頭打ちになるため、実際に置いた状態での差は条件によって変わります。

一方で公平に書くと、国際規格・認定試験所の成績書を、周波数ごとの値まで公開している簡易防音室は多くありません。国内の組み立て式防音室は、測定機関や測定条件の記載がないものが多く、当店が扱うOTODASUも公式サイトでは測定機関・条件を確認できません。根拠の開示という点では、B-Freeは丁寧な部類です。

周波数別に見ると「声には効き、低音は苦手」

B-Free 2.0 壁材パネルの周波数別遮音量(KCL試験成績書) 100Hzで8.8dB、125Hzで10.3dB、500Hzで21.6dB、1000Hzで30.2dB、2000Hzで34.9dB、5000Hzで40.9dB。低い音ほど遮音量が小さい。重み付き単一数値Rwは26。 周波数ごとの遮音量(dB)— 低い音ほど止まりにくい B-Free 2.0 壁材パネル単体・ISO 10140-2 実験室測定(KCL 2022年6月) 0 10 20 30 40 100Hz:8.8dB 100 125Hz:10.3dB 10.3 160Hz:11.6dB 200Hz:15.0dB 250Hz:15.1dB 250 315Hz:18.1dB 400Hz:20.6dB 500Hz:21.6dB 500 21.6 630Hz:23.7dB 800Hz:26.8dB 1,000Hz:30.2dB 1k 30.2 1,250Hz:33.0dB 1,600Hz:33.3dB 2,000Hz:34.9dB 2k 34.9 2,500Hz:37.0dB 3,150Hz:36.2dB 4,000Hz:39.2dB 5,000Hz:40.9dB 5k Rw 26(全体を1つの数字にまとめた値) 周波数(Hz)左が低音・右が高音 出典:KCL試験成績書 CT22-057327K(MUSICUS韓国サイトで公開)をもとにBo-On Room作図
周波数 音の例 遮音量(成績書の値)
125Hz ベース、ドラムの胴鳴り、男性の低い声の芯 10.3dB
250Hz 声の太さ、ピアノの中低音 15.1dB
500Hz 話し声・歌声の中心 21.6dB
1,000Hz 声の明瞭さ、ギターの響き 30.2dB
2,000Hz 子音、シンバル、高い声 34.9dB
4,000Hz 高音域 39.2dB

出典:KCL試験成績書 CT22-057327K(MUSICUS韓国サイトで画像公開)。音の例は当店の一般的な説明です。

高い音ほどよく止まり、低い音はあまり止まらないのがはっきり分かります。これは布やパネルでできた軽量な防音室に共通する性質(質量則)で、B-Freeに限りません。同社もドラムなどの打楽器は振動のため非推奨、100dBを超える金管楽器は大きな音が残る、とFAQで明記しています。dBの読み方は 防音室の遮音性能とdBの読み方、吸音と遮音の違いは 吸音と遮音の違い で解説しています。

吸音「NRC0.89」は響きの指標

もう1通の成績書では、250・500・1,000・2,000Hzの吸音率の平均が0.89でした(125Hzは0.19)。これはブースの中で声が響きにくいことを示す指標で、録音の音質には効きますが、外への音漏れを減らす指標ではありません。

用途別の目安(成績書とメーカーFAQ・購入者の声から)

用途 目安 理由
Web会議・ナレーション・話し声 ◎ 期待しやすい 音量が小さく中高音中心。部屋のドアと合わせると「ほぼ聞こえない」という購入者の声が多い
歌・配信・ゲーム実況 ○ 時間帯に配慮 中高音は下がるが、低い声の芯やシャウトは残る。深夜の大声は難しい
宅録(ボーカル・声優) ◎ 響き対策として 吸音が効き、響きの少ない録音がしやすい(「ドライすぎる」の声も)
アコースティックギター・管楽器(小音量) △〜○ 中高域は下がるが胴鳴りの低音は残る。100dB超の金管は大きな音が残る(FAQ)
電子ピアノ △ 床対策が別に必要 音はヘッドホンで消せても、打鍵の振動は床から伝わる
ドラム・ベース・スピーカーの重低音 ✕ 非推奨 125Hzで約10dB。メーカーもドラムは非推奨

B-Freeの良い点(強み)

  1. サイズの選択肢が広い:0.7畳相当のXSから、内寸2.2m角・約3.3畳相当のXLまで。国内の組み立て式防音室で、2人で入れる内寸2m超の選択肢は多くありません。
  2. 根拠の開示が丁寧:国際規格の試験成績書(周波数別)を公開しています。
  3. 録音に向く吸音:布壁の吸音層で中の響きが少なく、声の録音向き。
  4. 分解・移設できる:ドライバー1本で分解でき、体積は約80%減。引越しの多い人に向きます。
  5. 換気の改良:CAMPFIRE版は回転数を調整できるファンに。部屋のエアコンの冷気を吸い込む使い方ができます。
  6. 見た目:黒・アイボリーの布張りで、インテリアになじみやすいという声があります。

B-Freeの注意点(弱点)

  1. 重い:114〜265kg。同じくらいの広さのプラスチック段ボール製防音室の約2〜4倍です。玄関先渡しなので、室内への搬入は自分で行います(2026年春のMakuakeでは首都圏限定の有料設置サービスあり)。
  2. 天井高220cm以上が必要:換気ボックスを含む全高は219cm。梁やダウンライトの位置も要確認です。
  3. 暑さ:密閉するほど熱がこもるのは防音室共通ですが、韓国・英語圏の購入者の多くが暑さを指摘しています。エアコンのある部屋での使用が前提と考えてください。暑さ対策の考え方は 防音室の暑さ・換気対策 が参考になります。
  4. 低音は漏れる:上の周波数表のとおりです。
  5. クラファン特有のリスク:韓国から船便、12月お届け予定、自己都合の返品・キャンセル不可。2026年春のMakuakeは約2か月遅れました。
  6. 国内の販売拠点:販売者は韓国の事業者で、日本法人の記載はありません。サポートはCAMPFIREメッセージ・メール(5営業日以内に回答)・公式LINEです。
  7. 防炎性能の表示:布壁の防炎性能(日本の防炎ラベル等)の公表は、当店の調べでは確認できませんでした。マンションや事業所に置く場合は、管理会社や所轄の消防署への確認をおすすめします(同社も管理会社・管理組合への確認を推奨)。

クラファンで大型の防音室を買うときの注意点は、B-Freeに限らない形でまとめています。→ クラファンで防音室を買う前に知っておきたいこと

評判・口コミの現状|日本の「使ってみた」はまだ少ない

2026年9月時点で、日本の購入者が実際に使った感想はほとんど公開されていません。日本にまとまった数が届いたのは2026年春のMakuake分(8月下旬着)が初めてだからです。日本語で見つかる好意的な声の多くは、店頭の展示体験、メーカー提供品のレビュー動画、メーカー公式動画です。

そこで当店は、購入者の声が多い韓国語・英語圏まで調べました。傾向をまとめると次のとおりです。

論点 購入者の声の傾向
声・ナレーションの遮音 肯定的な声が多い(部屋のドアと合わせて「ほぼ聞こえない」)
低音・ドラム・スピーカー 「漏れる」でほぼ一致
暑さ 「サウナのよう」など否定的な声でほぼ一致。エアコン併用が前提
換気ファンの音 録音中は止めるという声が多い(改良版の評価はまだない)
吸音・録音の音質 肯定的(「ドライすぎる」の声も)
組み立て 公称60分に対し、実際は1.5時間〜数日。中型以上の布壁は重く一人では難しい
価格 「同じ大きさの木製ブースの約3分の1」と評価する声

日本のMakuake支援者からは、到着後に「換気扇の取付パーツが欠品」「布壁の下部の固定ネジがはまらない」といった報告も出ています(メーカーはLINEでの個別対応を案内)。詳しくは → B-Free 2.0の評判・口コミを日韓英で検証

B-Freeが向く人・向かない人

向きやすい人 向きにくい人
声・ナレーション・宅録・Web会議が中心 ドラム・ベース・スピーカーで大音量を出す
録音の「響き」を最優先したい 深夜にシャウトや大声を出したい
エアコンのある部屋に置ける エアコンのない部屋・北向きでない暑い部屋に置く
引越し・移設の可能性がある 一人で搬入・組立しなければならない(中型以上)
2人で使える広さ(内寸2m超)が欲しい 天井高が220cmに満たない
12月のお届けまで待てる すぐ使いたい・国内の販売店で買いたい

買う前のチェックリスト

  • ☐ 設置場所の天井高は220cm以上か(梁・照明・エアコンの位置も)
  • ☐ 玄関から設置場所までの搬入経路(階段・エレベーター・廊下の曲がり角)
  • ☐ 床の強さと保護(木造の2階、古い建物、賃貸の管理規約の重量物条項)。自重だけで床1㎡あたり約49〜103kg(当店計算)
  • ☐ 組み立てを手伝ってくれる人がいるか
  • ☐ 部屋にエアコンがあり、ブースの給気口に冷気を当てられるか
  • ☐ 用途は声・中高音中心か(低音・打楽器は避ける)
  • ☐ 12月のお届けまで待てるか。遅れる可能性も許容できるか
  • ☐ 自己都合の返品・キャンセル不可を理解したか
  • ☐ 保証(12か月・部品交換)と問い合わせ窓口(メール・LINE)を控えたか
  • ☐ マンション・事業所なら、防炎性能や火災報知器の扱いを管理会社・消防署に確認したか
  • ☐ 事業用ならインボイス(適格請求書)の対応を確認したか(2026年春のMakuakeは対応不可と表示)
  • ☐ できれば展示(ビックカメラ池袋西口IT tower店3F)で実物の大きさと音を体験したか

他の防音室と比べた位置づけ

B-Freeは、価格は組み立て式の中〜上位、重さは本格的なユニット型防音室に近い、という独特の位置にいます。ただし、遮音性能の表記方式(Rw・Dr値・各社独自の−dB)が違うため、数字だけで性能の優劣は比べられません。

製品(代表サイズ) 構造 外寸 重量 価格(税込) 公称の遮音と根拠
B-Free 2.0 S 鉄骨+布壁 120×120cm 約122kg ¥195,000〜(CAMPFIRE) 壁材のRw26(KCL・ISO試験)
OTODASU Ⅱ 吸音材付き プラスチック段ボール 124×124cm 約58kg ¥227,370(当店) 側面−28.2dB/背面−26.7dB(メーカー表示値・測定機関と条件は公式サイトで確認できず)
だんぼっち 段ボール 80×110cm 約25.5kg ¥83,500(送料別・9月11日は売り切れ表示) 公式の数値なし
KANADE 段ボール+吸音材 — 32.6kg ¥198,000 平均−23dB(測定条件の記載は見当たらず)
VERY-Q 960(0.5畳) パネル 96×96cm 約71kg ¥264,000(市場予想価格) ブース単体の数値記載なし
カワイ ナサール(0.8畳 Dr-30) ユニットパネル 99.6×137.8cm 213kg ¥550,000(組立・運送費別) Dr-30(当社測定値)
ヤマハ セフィーネNS(0.8畳 Dr-35) ユニットパネル 100.2×144.3cm 292kg ¥770,000(組立・運送費別) Dr-35(当社実験値)

出典:各社公式ページ(2026年9月11日確認)。OTODASUは当店販売価格。価格の条件(送料・組立費)が製品ごとに違う点に注意してください。

とくに気になるのは、B-Free S(外寸1.20m角・内寸1.10m角)とOTODASU Ⅱ(外寸1.24m角・内寸1.10m角)の広さがほぼ同じこと、B-Free L(1.76m角)とOTODASU DX160(1.74m角)もほぼ同じことです。同じ広さで、重さ・購入方法・納期・保証がどう違うのかは → B-Free 2.0とOTODASUを公称値で比較。組み立て式全体の比較は 組み立て式防音室5社比較、ゲーム用途なら ゲーミング防音ブース5種比較 も参考にしてください。

B-Freeは防音室業界をどう変えるか(当店の見立て)

当店の見立てでは、B-Freeの登場は業界に3つの変化をもたらしつつあります。

  1. 「布+鉄骨」という第3の構造:段ボール系・プラスチック段ボール系・本格ユニット型の間に、重さで遮音する分解型の布ブースが加わりました。
  2. 性能根拠の開示競争:試験成績書を公開する流れが広がれば、「意味ない」と言われがちな簡易防音室への不信が減る可能性があります。一方で「平均−○dB」の表記の混在は続きます。
  3. 家電量販店とクラファンの連動:店頭で体験し、クラファンで買う、という新しい買い方が生まれています。店頭で見ても購入先は量販店ではない、という違いは消費者に伝わりにくい点です。

楽観・中立・悲観の3つのシナリオは → B-Freeは簡易防音室業界をどう変えるか。業界の最新動向は 簡易防音室業界レポート2026 にもまとめています。

よくある質問

B-Free(ビーフリー)はどこの国の製品ですか?

韓国ソウルのMUSICUS(ミュージクス)が開発・販売しています。日本向けのCAMPFIREでは韓国ソウルから国際船便で発送されます。製造国について、同社はKickstarter分を韓国製、米国Amazon分を中国製と回答していますが、日本向けの製造国は確認できませんでした。

B-Freeの「−26dB」は信用できますか?

韓国の公的試験機関KCLが国際規格ISO 10140-2で測った試験成績書があり、根拠のある数字です。ただし測ったのは壁材パネル単体で、ブース全体を実際の部屋で測った値ではありません。周波数別では125Hzで約10dB、2,000Hzで約35dBと、低音ほど下がりにくい点に注意してください。

B-Freeは深夜に歌っても大丈夫ですか?

メーカー自身が「完全に音を遮断する製品ではない」としています。話し声や小さめの声なら部屋のドアと合わせて聞こえにくくなるという声が多い一方、深夜の大声やシャウト、低い声の芯は残ります。深夜利用が前提なら、建物の構造や隣室との距離も含めて慎重に判断してください。

B-Freeは暑くないですか?

韓国・英語圏の購入者の多くが暑さを指摘しています。CAMPFIRE版は回転数を調整できる換気ファンに改良されましたが、改良版の購入者評価はまだありません。部屋のエアコンの冷気をファンで取り込む使い方が前提と考えるのが現実的です。

一人で組み立てられますか?

メーカーは安全のため2人以上を推奨しています。小型を一人で組み立てたという日本の支援者の報告もありますが、中型以上の布壁は重く、一人では難しいという声が複数あります。所要時間も公称の約60分に対し、購入者の実績は1.5時間〜数日と幅があります。

B-Freeはどこで買えますか?

2026年9月12日時点では、CAMPFIRE(10月11日まで)が主な購入先です。ビックカメラ池袋西口IT tower店3Fで展示されており、展示で案内されるキーワードを使う限定リターンもあります。Amazon.co.jp・楽天・価格.comでの出品は確認できませんでした。MUSICUSの公式LINEでも相談を受け付けています。

B-FreeとOTODASUはどちらがいいですか?

用途と条件で変わります。遮音の公称値は測定方法が違うため優劣は比べられません。重さ(B-Freeは約2〜4倍)、購入方法(クラファンか国内販売店か)、納期、返品条件、天井高の要件などが大きく違うので、比較記事で条件別に整理しています。

出典

  1. CAMPFIRE「ドライブ1本・60分で完成・DIY防音ブースMUSICUS、B-Free 2.0」(仕様・価格・FAQ・特定商取引法表記・活動報告)https://camp-fire.jp/projects/946671/view (2026-09-12確認)
  2. Makuake「ドライバー1本・60分で完成する本格DIY防音ブース『B-Free 2.0』」・活動レポート https://www.makuake.com/project/musicus_be-free_2/ /公式データ https://api.makuake.com/v2/projects/51271
  3. Makuake「プライベート防音室 B-free 2.0」(2023年・SETO WORKS)https://www.makuake.com/project/b-free2_0/ /「T-small」(2022年)https://www.makuake.com/project/tsmall/
  4. Kickstarter「Silence Meets Creativity: The B-Free 2.0 Soundproof Booth」https://www.kickstarter.com/projects/musicus/silence-meets-creativity-the-b-free-20-soundproof-booth
  5. MUSICUS 韓国公式サイト(製品・会社情報)https://musicus.kr/product/detail.html?product_no=230
  6. KCL試験成績書(遮音 CT22-057327K/吸音 CT22-057328K、画像)https://musicus.cafe24.com/B-free2/%EC%B0%A8%ED%9D%A1%EC%9D%8C%20%EC%84%B1%EC%A0%81%EC%84%9C.png
  7. MUSICUS 2026年価格・サイズ案内(全高219cm・天井高220cm以上)https://musicus.cafe24.com/B-free%20%EC%95%88%EB%82%B4/2026%20price/2026_Price_W.png
  8. MUSICUS 日本語告知ページ(正式販売中の掲載)https://musicus-funding.com/makuake (2026-09-11確認)
  9. 브릿지경제(2019-03-06)創業者と初回クラウドファンディング https://www.viva100.com/20190305010000978
  10. 머니투데이(2024-11-04)「강한 소상공인」最優秀賞 https://www.mt.co.kr/future/2024/11/04/2024110410412737880
  11. 이넷뉴스(2026-05-20)Makuake終了と台湾での展開計画 https://www.enetnews.co.kr/news/articleView.html?idxno=50277
  12. DTMステーション「MUSICUS B-Free 2.0レビュー」(PR表記あり)https://www.dtmstation.com/archives/77403.html /東京楽器博2025 https://www.dtmstation.com/archives/74534.html
  13. 蔦屋家電+「B-free 2.0/DIY組立式防音ブース」(展示終了)https://store.tsite.jp/tsutayaelectricsplus-futako/event/music/53879-1351320410.html
  14. ヤマハ セフィーネNS 仕様 https://jp.yamaha.com/products/soundproofing/ready-made_rooms/size_08-15/amdb08h/specs.html /カワイ ナサール https://www.kawai-os.co.jp/product/unit01/ /だんぼっち https://danbocchi.com/ /VERY-Q https://very-q.jp/product/960boothset/ /KANADE https://www.amazon.co.jp/dp/B09X9TM11L
  15. OTODASU公式サイト https://otodasu.jp/ (当店価格は当店商品ページ)

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