「会議室で声が反響して、Web会議の相手に聞き返される」「隣の会議室に声が響いて同時使用できない」「ガラス張りの会議室はきれいだが音がひどい」——オフィスの会議室は、硬い壁・ガラス・低い天井・家具の少なさが揃った「最も響く部屋」です。
この記事では、工事をせずに後付けの吸音パネルで会議室の反響を下げる方法を、設計指針と導入事例の数字をもとに、防音・音響の専門店 Bo-On Room が法人向けにまとめます。
切り分け:「室内で聞き取りにくい」は吸音で改善します。「隣室に会話の内容が漏れる」は本来遮音の領域ですが、反響を減らすと室内の音量自体が下がるため、事例では隣室の同時使用が可能になったケースもあります。
設計の目標値——残響0.3〜0.4秒、平均吸音率0.4
テレビ会議室の音響設計指針では、残響時間0.3〜0.4秒が推奨され、0.6秒を超えると音質が低下するとされています。実用的には平均吸音率0.4程度が目安で、「全表面の吸音率が0.1の部屋なら、表面の40%に吸音率0.9の材を貼ると平均0.4に達する」という設計例が示されています[1]。何も貼っていない会議室は平均吸音率0.1前後のことが多く、これが「響く会議室」の正体です。
導入事例——会議室で59dB→49dB(約−10dB)
パーテーションで区切った企業の会議室に吸音材を設置した事例では、会議室内の平均音圧が約59dBから約49dBへ、全体で約10dB低減し、特に2,000Hz以上の高周波で効果が顕著だったと報告されています。反響が減ったことで隣接会議室との同時使用が可能になり、「声の聞こえ方が以前とはまったく違う」との評価でした[2]。10dBは音のエネルギーで10分の1に相当し、体感では「うるささが半分程度」と表現される差です。
工事なしでできる3つの方法
| 方法 | 製品例 | 工事 | 1単位あたり | 向く場面 |
|---|---|---|---|---|
| ①置く(自立式大型パネル) | 静科 SDM-1800(1800×900mm・二つ折り自立・4色) | 不要 | ¥85,000 | 賃貸オフィス・ガラス壁・まず試す |
| ②貼る(壁面パネル) | 静科 E-38(300×600×38mm・裏面粘着) | 不要(脚立作業) | ¥6,200(8枚¥32,800) | 面積を稼ぐ・壁上部の帯 |
| ③卓上・デスク周り | 静科 SDM-900(900×900mm)/E-15 | 不要 | ¥55,000/¥3,880 | 自席Web会議・小会議室 |
SDM-1800はメーカー表記で500Hz以上の中高音域に90%以上の吸音性能、E-38は250Hzで約30%、500Hz以上で50〜80%超の残響低減(いずれもメーカー表記)[3][4]。会議の声の帯域に合った製品です。
配置の優先順位(会議室)
- 対面する2面の壁:平行な壁の間で音が往復する「フラッターエコー」が会議室の反響の主因。片側に自立パネル、反対側に壁面パネル。
- Web会議のスピーカー・モニターの背面:相手の声の反射を止め、マイクへの回り込みも減る。
- 天井付近の壁上部:天井が硬い部屋(システム天井のガラス面等)では、壁上部の帯が天井吸音の代替になる。
- ガラス面:貼れない場合は自立パネルを室内側に置く。
枚数の目安——会議室の広さ別
| 会議室 | 壁面積(天井2.7m) | まず試す構成 | 平均吸音率0.4に近づける目安(壁の30〜40%) |
|---|---|---|---|
| 8畳(約13㎡) | 約39㎡ | SDM-1800×2+E-38 8枚 | E-38 65〜87枚相当(SDM併用で減) |
| 12畳(約19㎡) | 約48㎡ | SDM-1800×2+E-38 16枚 | E-38 80〜107枚相当 |
| 20畳(約32㎡) | 約62㎡ | SDM-1800×4+E-38 24枚 | E-38 103〜138枚相当 |
※壁面積は周囲長×天井高の概算。SDM-1800は1枚で1.62㎡(E-38 9枚分)を1面で確保できるため、面積効率が高い。「まず試す構成」で残響テストをしてから増設する段階導入を推奨。計算は 必要枚数シミュレーター(「会議室・店舗」を選択)。
費用の目安
| 構成 | 内容 | 費用(税込・送料無料) |
|---|---|---|
| 8畳・まず試す | SDM-1800×2+E-38 8枚 | ¥170,000+¥32,800=¥202,800 |
| 12畳・標準 | SDM-1800×2+E-38 16枚 | ¥170,000+¥65,600=¥235,600 |
| 自席Web会議ブース化 | SDM-900×1+E-15 8枚 | ¥55,000+¥22,800=¥77,800 |
法人・施設向けには請求書払い・複数拠点の一括見積に対応しています。設置位置図・仕様書つきの見積書を用意しますので、テレワーク関連の助成金申請にもお使いください。→ 法人・テレワーク導入ガイド/コールセンター・オフィス防音ブース
効果の確かめ方(社内でできる)
- 会議室の中央で手を叩き、余韻の長さを聞く。スマホの録音で前後比較。
- 騒音計アプリで、同じ声量で話した時の室内レベルを前後比較(目安として−5〜−10dBが出れば十分)。
- Web会議の相手に「聞き取りやすさ」を聞く。最終判定は相手の耳です。
やってはいけないこと
- 全面を厚い吸音材で覆う:会議室が「デッド」になり、話していて疲れる。上限は壁の40%。
- 薄いウレタンを大量に貼る:高音だけ消えて声がこもる。会議の声には38mm以上か自立パネルを。
- 「隣室に漏れる」を吸音だけで解決しようとする:内容の秘匿が必要な会議室は、遮音(壁・ドア)の改修か防音ブースを。
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よくある質問
吸音パネルで隣の会議室への声漏れは防げますか?
音漏れそのものは遮音の領域ですが、反響を減らすと室内の音量が下がるため、事例では隣接会議室の同時使用が可能になっています。秘匿性が必要な会議室は遮音改修や防音ブースを検討してください。
ガラス張りの会議室でも対策できますか?
ガラスには貼れないため、自立式のSDM-1800を室内側に置く方法が有効です。二つ折りで自立し、使わない時は畳めます。
何枚必要か分かりません。
「まず試す構成」(自立パネル2枚+壁面パネル8〜16枚)で残響テストをしてから増設する段階導入をおすすめします。会議室の広さ・写真をお送りいただければ配置図つきで見積もります。
請求書払いはできますか?
法人・施設向けに請求書払いと複数拠点の一括見積に対応しています。
効果はどれくらいですか?
導入事例では約−10dB(59→49dB)が報告されています。設置面積や部屋の条件で変わるため、保証値ではなく目安としてください。
Web会議の自席でも使えますか?
SDM-900を背面に置き、モニター裏の壁にE-15を4枚貼る構成で、自席をWeb会議ブース化できます。
出典
- テレビ会議の音響設計指針(推奨残響0.3〜0.4秒・平均吸音率0.4・40%にα0.9の設計例) https://vcbook.vtv.co.jp/4_1.html
- 会議室への吸音材導入事例(59→49dB・事例番号FB-62) https://www.kamata.co.jp/html/solution/business/entry/id-00410.html
- 静科「SHIZUKA Stillness Panel SDM オーダー対応開始」(PR TIMES 2026年8月17日・SDM1800は500Hz以上で90%以上の吸音性能) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000025.000081735.html
- 静科 公式ストア E-38 製品ページ https://silent-provider.jp/products/ssp-e-38

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