「家を建てるついでに防音室を作りたい」「ハウスメーカーの防音室はどこがおすすめ?」「いくらかかる?」——注文住宅の打ち合わせで防音室が話題に上がる方は、ピアノ・ギター・ドラム・歌・配信・シアターと用途がさまざまです。ところが防音室は用途を先に決めないと、方式も費用も決まりません

先に前提を1行。防音は「遮音(音を通さない)」と「吸音(部屋の中の響きを整える)」の組み合わせで、吸音材だけでは隣室や外への音漏れはほとんど減りません。ハウスメーカーの防音室は、この遮音と吸音を家の構造として作り込むものです。

この記事では、防音・音響の専門店 Bo-On Room が、ハウスメーカーで防音室を作る3つの方式と費用相場、遮音等級の読み方、後悔しやすい点、そして後付けの簡易防音室という第3の選択肢を、出典付きで比較します。当店は簡易防音室を販売する立場ですが、施工型の方が向く用途もはっきり書きます。→ 基礎は 吸音と遮音の違い

結論:グランドピアノ・ドラム・深夜の管楽器なら、家の構造として作る施工型(6畳で150〜300万円が相場)。電子楽器・ボーカル練習・配信・テレワークなら、後付けの簡易防音室(¥158,840〜)で足りることが多い。用途が固まっていない新築なら「防音室を作り込む」より「将来置ける6畳の余白と電源・搬入経路を残す」方が後悔が少ない。

先に結論——防音室の3つの選択肢と費用レンジ

方式 費用の目安 遮音性能の目安 工期・設置 向く用途
①施工型(ハウスメーカーの防音室・防音工事) 6畳で約150〜300万円。新築一戸建ては坪100万円〜、6畳250万円〜という相場もある D-40〜D-55クラス(仕様次第) 設計段階から組み込み。6畳で2〜3.5週間の工事 グランドピアノ・ドラム・大音量の管弦楽器・本格スタジオ
②ユニット防音室を組み込む(ヤマハ アビテックス等) 3.5畳 Dr-35 ¥2,354,000/Dr-40 ¥2,618,000(希望小売・税込・組立費運送費別) Dr-30〜Dr-40 据え置き。部屋より約1畳小さくなる アップライトピアノ・管楽器・歌・楽器教室
③後付けの簡易防音室(組み立て式) ¥158,840〜¥473,220(OTODASU・当店実勢・税込送料無料) 実測−25〜−30dB以上(モデル・測定条件による) 工事不要・工具不要で当日設置。分解して移設可 電子楽器・ボーカル・配信・テレワーク・ゲーム

※①②の数値は本記事末尾の出典(2026年9月時点の公開情報)による。③は当店の実測記事と販売価格。

ハウスメーカーの防音室は3方式——独自商品・ユニット組込・専門工事

方式1:ハウスメーカー独自の防音室商品

たとえば大和ハウスは「音の自由区」として防音室「奏でる家」を用意し、減音目安55dBA(100dBA相当の音を図書館並みの45dBAに)と公表しています。積水ハウスは「音と家」として、外部との遮音・室内間の遮音・吸音材による音場調整を組み合わせた提案をしています。ミサワホームは床の遮音等級Dr-50相当の多層構造を紹介記事で説明されています。各社とも「家の構造として遮音する」ため性能は高く、そのぶん設計段階での確定が必要です。

方式2:ユニット防音室(ヤマハ・カワイ等)を部屋に組み込む

ハウスメーカー経由でも、実体はヤマハ「アビテックス」などのユニット防音室を部屋の中に据える方式があります。ヤマハ公式では3.5畳の定型タイプでDr-35が¥2,354,000、Dr-40が¥2,618,000(税込・組立費と運送費は別)。壁厚はDr-30・Dr-35で91mm、Dr-40で123mmとされ、元の部屋より約1畳小さくなります。詳しい比較は OTODASU vs ヤマハ アビテックス をご覧ください。

方式3:専門の防音工事会社と連携する

ハウスメーカーが防音工事の専門会社(音響設計込み)を入れて施工する方式です。用途に合わせた遮音等級と室内音響の設計ができる反面、費用は仕様で大きく変わり、住宅ローンに組み込めるかは金融機関と工事の扱いによります。

「おすすめのハウスメーカー」より先に決めること:①何の音を ②何時に ③どれくらいの音量で出すか。この3つで必要な遮音等級が決まり、等級が決まって初めて方式と費用が決まります。メーカー名から入ると、営業担当の得意な方式に引っ張られます。

費用相場と内訳——6畳で150〜300万円の理由

グレード(用途) 目安の遮音等級 費用の目安(6畳・施工型) 備考
入門(テレワーク・オンライン会議で声が漏れない) 入門的なDr値 約100万円〜 壁・ドアの遮音強化が中心
ピアノ対応(アップライト・電子ピアノの生音) Dr-40〜45 約200万円〜 壁・床・天井すべてに遮音処理
本格(グランドピアノ・ドラム・深夜演奏) Dr-50以上 300万円超も 浮き構造・防振・専用換気空調
  • 相場の幅:6畳の防音室は約150〜300万円。新築一戸建てに作る場合は坪あたり100万円〜、6畳で250万円〜という相場も示されています。
  • 工期:6畳程度で2〜3.5週間。遮音性能が高いほど構造が厚くなり、工期も延びます。
  • 面積が減る:壁・床・天井を厚くするため、同じ6畳でも有効面積は小さくなります。ユニット型でも約1畳分小さくなります。
  • ローン:新築時に組み込めば住宅ローンに含められる場合があり、月々の負担は小さく見えますが、金利分を含めた総額は増えます。

費用を「10年で使い切る前提」で見るなら、施工型と簡易防音室の総所有コスト比較を 防音工事 vs 簡易防音室防音室の値段・相場 にまとめています。

遮音等級(D値・Dr値)と「−25dB」表記の読み方

ハウスメーカーやユニット防音室の性能は「D-50」「Dr-40」のような遮音等級で表されます。JISに基づく空気音の遮音等級で、数値が大きいほど音を通しません。一方、簡易防音室は「−25dB」「−28dB」のように測定条件付きの減音量で表されることが多く、等級とは測り方が異なるため単純比較はできません。目安としては次の通りです。

表記 意味の目安 体感の目安
D-30/Dr-30前後 会話・テレビ音が「聞こえるが内容は分かりにくい」 テレワーク・ボーカル練習の入口
D-40/Dr-40前後 ピアノの音が「かすかに聞こえる」程度 アップライトピアノ・管楽器の日中練習
D-50/Dr-50以上 ピアノの音が「ほとんど聞こえない」 グランドピアノ・ドラム・夜間
−25〜−30dB(簡易防音室の実測) 音の強さがおおむね97〜99.9%減る。60dBの会話が30〜35dB程度に 配信・電子楽器・歌の練習。詳細は実測記事へ

dBの読み方と当店実測の詳細は 防音室の遮音性能とdBの読み方、OTODASUの第三者機関実測は OTODASUは意味ない?実測データで検証 にあります。

ハウスメーカーの防音室で後悔しやすい5点(正直に)

  1. 用途が変わる:子どものピアノのために作った防音室が、5年後に使われなくなる。施工型は部屋の位置も大きさも固定です。
  2. 音は「弱いところ」から漏れる:壁をDr-50にしても、ドア・窓・換気口・配管の隙間が弱点になります。専用の防音ドアと防音換気が予算に入っているか確認を。
  3. 換気・空調:密閉するほど暑く、湿気がこもります。防音換気扇やエアコンの防音貫通処理が必要で、これも費用に乗ります。
  4. 床への振動:ドラム・ピアノの打鍵・足踏みは床を伝わる固体音です。壁の遮音等級だけ高くても、浮き床や防振がなければ階下に響きます。
  5. 売却時の評価:防音室は買い手を選びます。汎用の部屋として使える設計(可動家具・床材)にしておくと、将来の選択肢が残ります。
「まだ用途が固まっていない」新築が一番危険です。この段階で数百万円の防音室を確定させるより、6畳の余白・単独回路のコンセント・幅80cm以上の搬入経路を残しておき、必要になった時に後付けの簡易防音室を置く方が、費用も後悔も小さくなります。

第3の選択肢——後付けの簡易防音室(組み立て式)

当店が扱う OTODASU は、遮音パネルを組み合わせて部屋の中に「箱」を作る組み立て式の簡易防音室です。工事不要・工具不要で当日から使え、引越しや模様替えの際は分解して移設できます。価格と性能は次の通りです。

モデル 内寸(W×D×H) 遮音の目安 価格(税込・送料無料)
OTODASU Ⅱ 吸音材なし ホワイト 1,100×1,100×1,900mm −25dB以上 ¥158,840
OTODASU DX145 1,450×1,450×1,890mm −28dB以上(第三者機関実測) ¥343,310
OTODASU DX160 1,600×1,600×1,900mm −28dB以上 ¥367,620
OTODASU DX160 MG2(吸音材付き) 1,600×1,600×1,900mm −30dB以上 ¥473,220

OTODASU 組み立て式簡易防音室の外観

  • できること:電子楽器・ボーカル練習・配信・テレワーク・ゲームの音漏れを、施工型の1/5〜1/10の費用で下げる。設置後に効果が足りなければ吸音材の追加や上位モデルへの入れ替えができる。
  • できないこと(正直に):Dr-40〜50の施工型と同じ遮音は出ません。グランドピアノ・ドラム・深夜の管楽器を「聞こえない」水準にするのは施工型の領域です。夏場は暑さ対策(換気ファン・扇風機)が要ります。→ 防音室の暑さ・換気対策
  • 新築との相性:施工型と違い、間取りが決まった後でも置けます。設置スペースの目安は 内寸・外寸一覧、他社製品との比較は 組み立て式防音室おすすめ5社比較 をご覧ください。

どれを選ぶ?——用途別の判断表

用途 おすすめの方式 理由
グランドピアノ・ドラム・深夜の管弦楽器 ①施工型(Dr-50以上) 音量と低音が大きく、床の防振と高い遮音等級が必要
アップライトピアノ・管楽器の日中練習・楽器教室 ①施工型(Dr-40〜45)または②ユニット Dr-40クラスが目安。ユニットなら将来の移設も可
電子ピアノ・電子ドラム・ギターアンプ小音量・歌の練習 ③簡易防音室 −25〜−30dBの減音で近隣トラブルの多くは回避できる。→ マンションでピアノを弾くための防音対策
配信・ゲーム・テレワーク・ナレーション収録 ③簡易防音室 声の帯域は減音しやすく、内寸1,100mmでも机と椅子が入る
まだ用途が固まっていない新築 余白を残して③から 数百万円を確定させず、必要になった時に置ける設計にしておく

新築で失敗しない考え方——「防音室」より先に「間取りと余白」

  • 間取りで離す:音の出る部屋を寝室・隣家側から離す。これだけで必要な遮音等級が1段下がることがあります。
  • 標準仕様の遮音を確認:各社の標準的な壁・床の遮音仕様と、防音室オプションの差額を見積書で分けて出してもらう。
  • 弱点から予算をつける:防音ドア・防音換気・窓の二重化は、壁の等級を上げるより費用対効果が高い。
  • 将来の余白:6畳の空き・単独回路コンセント・幅80cm以上の搬入経路・天井高2,000mm以上を確保しておけば、後付けの簡易防音室はいつでも置けます。

よくある質問

ハウスメーカーの防音室はいくらかかりますか?

6畳で約150〜300万円が相場です。テレワーク用途の入門グレードで約100万円から、ピアノ対応のDr-40〜45で約200万円から、新築一戸建てでは坪100万円〜という目安も示されています。

防音室におすすめのハウスメーカーはどこですか?

メーカー名より先に、何の音を・何時に・どの音量で出すかを決めてください。大和ハウス「奏でる家」(減音目安55dBA)のような独自商品、ヤマハ アビテックス等のユニット組込、専門工事会社との連携の3方式があり、用途で向き不向きが決まります。

D値と−25dBは同じ意味ですか?

違います。D値・Dr値はJISに基づく遮音等級、−25dBは測定条件付きの減音量です。測り方が異なるため単純比較はできず、目安としてD-40がアップライトピアノの日中練習、D-50以上が夜間やグランドピアノの水準です。

後付けの簡易防音室で施工型の代わりになりますか?

電子楽器・歌・配信・テレワークなら多くの場合代わりになります。グランドピアノ・ドラム・深夜の管楽器を聞こえない水準にするのは施工型の領域で、簡易防音室では届きません。

新築時に防音室を作らない場合、何を残しておけばよいですか?

6畳の余白、単独回路のコンセント、幅80cm以上の搬入経路、天井高2,000mm以上です。この4つがあれば、必要になった時に組み立て式の簡易防音室を置けます。

用途が固まる前に数百万円を確定させない。
工事不要・工具不要・全国送料無料。必要になった時に置ける組み立て式防音室

OTODASU DX160 を見る OTODASU DX145 を見る 5社比較を読む

出典(2026年9月時点の公開情報)

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